高知大学デジタルコレクション
現在、高知大学学術情報基盤図書館では所蔵の貴重資料等についてデジタル化事業を行っています。令和5年度に55点の資料の撮影を行い、公開の準備中です。
高知大学デジタルコレクションの公開に先駆け、デジタル化した資料の一部をご紹介します。
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1.「毛詩正義単疏本秦風残簡」(『詩経』唐代抄本 大小二葉) 小島文庫 中央館貴重資料室所蔵
儒教経典の注釈書『五経正義』は、唐代(618~907)の初め、孔穎達(くようだつ)・顔師古(がんしこ)らが勅命を奉じて編纂したものだが、その中の、中国最古の歌謡集『詩経』(しきょう)についての、孔穎達(574~648)ひとりの注釈(単疏)(たんそ)を記したのがこの断簡である。1997年の文化庁の調査によって、重要文化財に指定されている京都市蔵の「毛詩正義単疏本秦風断簡」と同一書のものであることがほぼ明らかになった。当時はまだ印刷の技術がなく、筆写されたものである。紙は黄蘗染め、紙質としても唐代の趣を伝える。(中森健二: 高知大学元人文学部教授)
2.「英米対話捷径」ジョン万次郎による本邦初の英会話入門書 郷土資料 中央館貴重資料室所蔵
『英米対話捷径』は、英語圏で実地に教育を受けた初の日本人ジョン万次郎(中濱万次郎)による、単体本としては本邦初の英会話入門書である。著名にある「捷径(しょうけい)」とは「近道」の意味で、語単位の直訳による英語本は本書が嚆矢である。 発行年は、第五葉の内題に「彼ノ一千八百五十九年 即吾 安政六己未歳ニ當ル」とあることから安政六 (1859) 年である。この翌年早々には、年号が万延と改められ、この年に咸臨丸がアメリカに渡った。『英米対話捷径』は当初、勝海舟や福沢諭吉をはじめとする咸臨丸での渡航者のために著されたものとも考えられる。本書には内容がほとんど同じ設楽氏版と知彼堂蔵版の二つの版があるが、いずれかの版がより広範な利用者を対象として後に出版されたものと考えられ、当時としては大変なベストセラーであったことが伺える。本学所蔵のものは知彼堂蔵版である. (村端五郎: 高知大学元人文学部教授)
3.「土佐三十絵図」 戦前の高知を描いた版画集 郷土資料 中央館貴重資料室所蔵
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