ミーニュ教父叢書

Patrological cursus completus(390vols)は編者 Migne の名を冠して『ミーニュ教父叢書』とよばれている。 これは、西洋古代中世を中心としたキリスト教原典文献の一大集成である。
『ミーニュ教父叢書』は二部より成る。
一つは、偽バルナバ(c.120A.d.)からフィレンツェ公会議(1438)まで の著作家(東方協会圏に属しギリシア語で著述したので、 ギリシア教父と呼ばれる)の文書を収めた叢書である。これは通常ギリシア語とラテン語の対訳の体裁をとっている。 そこからこれを「ギリシア語とラテン語による教父の著作」という意味で『ギリシア・ラテン教父叢書』略して『ギリシア教父叢書』(161巻)と呼ぶ。 そしてPGと略称する。
もう一つはテルトウリアヌス(c.200A.d.)からイノケンティウスlll世 (1216)までの著作家(西方協会圏に属しラテン語で著述したので、 ラテン教父と呼ばれる)の文書を収めた『ラテン教父叢書』(221巻) である。これはPLと略称される。
その他の索引等を加え、全390巻の 叢書となっている。(岡崎文明:元人文学部教官)

Migne, Jacques Paul 1800-1875.

フランスのカトリック神学者,聖職者。ピュゾー(Puiseaux)の主任 司祭となったが,自由論に関する小冊子《De la liberte》を著して 司教と争い,辞職してパリに出(33),カトリック誌〈L'Univers Religieux〉(後の L'Univers)を刊行(33-36)。ついで同市の近郊に 印刷所を設立し,主に神学書を出版した。
(岩波西洋人名辞典増補版,1981)